馬油シャンプーで抜け毛が増える?頭皮環境に合わせた選び方を解説!

AGA治療

髪にツヤが出て、頭皮にもやさしそうな印象がある馬油シャンプー。旅館やホテルの大浴場で使って「しっとりして良い」と感じ、自宅でも使い始めた方は少なくありません。ところが、使い始めてから排水溝にたまる毛が増えたように感じると、「馬油シャンプーで抜け毛が増えるのでは」と不安になりますよね。

結論からいうと、馬油という成分そのものが、医学的に抜け毛を直接増やすと確立されているわけではありません。馬油は皮膚の保湿素材として研究されており、ヒト皮脂の脂肪酸組成に近い点や保湿性が検討されています。一方で、油分が多く残りやすいケアは、頭皮タイプによってはベタつき・かゆみ・フケ・炎症感につながることがあります。つまり大切なのは、「馬油が悪い」と決めつけることではなく、自分の頭皮状態、洗い方、すすぎ、スタイリング剤の使用量に合っているかを見直すことです。出典:CiNii Research「馬油による皮膚の保湿効果の検討」

馬油シャンプーで抜け毛が増えるのは本当?

まず確認したいのは、「馬油シャンプーを使ったから毛根が壊れて抜ける」という単純な話ではないということです。シャンプーは基本的に洗浄と頭皮・毛髪を清潔に保つためのものであり、発毛薬やAGA治療薬ではありません。薬用シャンプーでも、承認される効能の中心は「ふけ・かゆみを防ぐ」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮をすこやかに保つ」などの範囲です。出典:厚生労働省「薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項」

馬油自体が髪を抜けさせる根拠は確認しにくい

馬油は、皮膚に油分を補い、乾燥を防ぐ目的で使われてきた天然由来の油性成分です。研究レベルでは、ヒトの皮脂に近い脂肪酸組成を持つことや、角質層の水分量に関する保湿効果が検討されています。したがって、馬油そのものを「抜け毛を起こす毒性成分」と見るより、保湿・油分補給の性質が自分の頭皮に合うかどうかで判断するほうが現実的です。出典:CiNii Research「馬油による皮膚の保湿効果の検討」

ただし、天然由来だから誰にでも安全という意味ではありません。化粧品やシャンプーは、どの成分でも肌に合わない人がいます。使い始めてから強いかゆみ、赤み、湿疹、ヒリつき、フケの急増が出る場合は、成分の相性や洗い残し、頭皮トラブルが関係している可能性があります。その場合は無理に使い続けず、いったん中止して皮膚科へ相談するのが安全です。

頭皮に残った油分がベタつきや炎症感につながることはある

馬油シャンプーで抜け毛が増えたように感じる背景として多いのは、油分そのものよりも、頭皮に油分・皮脂・スタイリング剤・古い角質が残っている状態です。頭皮は皮脂腺が多く、脂漏性皮膚炎のようなトラブルも起こりやすい部位です。脂漏性皮膚炎は皮脂の多い頭皮や顔に出やすく、赤み・かゆみ・フケなどを伴うことがあります。出典:DermNet「Seborrhoeic dermatitis」

馬油シャンプーはしっとり感が強く出やすいため、乾燥肌には合いやすい一方で、もともと皮脂が多い人には重く感じることがあります。洗った直後から頭皮が重い、翌朝にはニオイやベタつきが出る、フケが湿っている、かゆみが強いという場合は、油分が過剰になっている可能性があります。この場合は「抜け毛が増えた」というより、頭皮環境の悪化によって抜け毛が目立ちやすくなっている可能性を考えます。

すすぎ不足で毛穴まわりに残りやすいこともある

馬油シャンプーの「しっとり感」を、あえて残したほうが良いと考える人もいます。しかし、シャンプーは頭皮を洗うためのものなので、洗浄成分や油分が頭皮に残り続けるのは望ましくありません。米国皮膚科学会は、シャンプーは毛髪全体よりも頭皮に使い、蓄積した皮脂・角質・スタイリング剤を洗い流すことを勧めています。出典:American Academy of Dermatology「Tips for healthy hair」

特に、耳の後ろ、襟足、つむじ周辺、生え際はすすぎ残しが起こりやすい場所です。馬油シャンプーを使うなら、洗っている時間よりもすすぎに時間をかける意識が重要です。地肌を指で触ったときにヌルつきが残るなら、まだ流し足りない可能性があります。

なぜ馬油シャンプーで抜け毛が増えたと感じるのか

馬油シャンプーを使った後に「抜け毛が増えた」と感じる理由は、実際の脱毛だけではありません。髪がまとまりすぎて地肌が見えやすくなる、洗浄力が生活スタイルに合わない、頭皮のベタつきやフケが増えるなど、複数の要因が重なっていることがあります。

高い保湿力が脂性肌には重く感じられる

馬油シャンプーは、乾燥しやすい頭皮やパサつく髪には合いやすい一方で、皮脂が多い男性には重く感じられることがあります。皮脂分泌が多い状態は脂漏と呼ばれ、頭皮や顔などに出やすいとされています。皮脂が多い頭皮では、洗浄力が穏やかすぎるシャンプーや油分の多いケアが合わない場合があります。出典:DermNet「Seborrhoea」

頭皮タイプ馬油シャンプーとの相性起こりやすい変化
乾燥しやすい頭皮合いやすいカサつき・つっぱり感が軽くなる可能性
普通肌製品と洗い方次第ツヤやまとまりを感じやすい
脂性肌・汗をかきやすい頭皮重く感じる場合があるベタつき、湿ったフケ、かゆみ、ボリュームダウン
敏感肌・炎症がある頭皮慎重に判断刺激感や湿疹が出たら中止・受診

「乾燥には良い」と言われるものでも、皮脂が多い人には合わないことがあります。頭皮ケアでは、成分の人気や口コミよりも、自分の頭皮が乾燥型なのか脂性型なのかを見極めることが重要です。

髪がまとまりすぎて地肌が透けて見える

馬油シャンプーで「抜け毛が増えた」と感じる人の中には、実際に抜け毛が増えたのではなく、髪のまとまり方が変わって地肌が見えやすくなったケースもあります。油分で髪がしっとりすると、髪1本1本が束になりやすく、ふんわり感が減ることがあります。特に細毛・軟毛の人では、根元が寝てしまい、つむじや分け目の透けが目立つことがあります。

この場合は、排水溝の抜け毛が明らかに増えているか、髪全体のボリュームが減っているかを数日単位で観察しましょう。見た目だけがペタンとしているなら、使用量を減らす、コンディショナーを毛先だけにする、より軽い仕上がりのシャンプーへ切り替えることで改善することがあります。

洗浄力が穏やかでスタイリング剤が落ちきっていない

馬油シャンプーには、しっとり感を重視した製品が多くあります。ハードワックス、スプレー、ジェル、ヘアオイルを毎日使う男性の場合、穏やかな洗浄力だけではスタイリング剤が落ちきらないことがあります。米国皮膚科学会も、シャンプーは頭皮に使い、蓄積した製品・角質・余分な皮脂を洗い流すことを説明しています。出典:American Academy of Dermatology「Tips for healthy hair」

スタイリング剤が残ると、翌朝のかゆみ、ニオイ、ベタつきにつながりやすくなります。馬油シャンプーを使う場合でも、整髪料を多く使った日は2度洗いをする、週に数回だけ洗浄力が少し高いシャンプーを併用するなど、生活スタイルに合わせた調整が必要です。

抜け毛を防ぐ正しい洗い方

馬油シャンプーとの相性を正しく判断するには、まず洗い方を整えることが大切です。使い方が合っていないまま「このシャンプーは抜け毛が増える」と判断すると、本来は使える製品まで避けてしまうことになります。

1〜2分の予洗いで皮脂と整髪料を浮かせる

シャンプー前は、髪を濡らすだけでなく、ぬるま湯で頭皮までしっかり予洗いしましょう。温度は熱すぎないぬるめが基本です。熱いお湯は皮脂を落としすぎ、乾燥や刺激につながることがあります。馬油シャンプーは油分があるため、予洗いが不十分だと泡立ちにくく、必要以上に量を使ってしまう原因になります。

目安は1〜2分です。生え際、耳の後ろ、後頭部、つむじ周りまでお湯を通し、スタイリング剤や汗を先に浮かせます。予洗いだけでもかなり汚れが落ちるため、その後のシャンプー量を減らしやすくなります。

指の腹で頭皮を洗い、髪同士をこすらない

シャンプー中は、髪の長さ全体をこするのではなく、頭皮を洗う意識が大切です。米国皮膚科学会は、シャンプーは頭皮に塗布し、毛先まで強く洗いすぎないことをすすめています。毛先をこすりすぎると乾燥やダメージにつながるためです。出典:American Academy of Dermatology「Tips for healthy hair」

爪を立てる洗い方は避け、指の腹で頭皮を動かすように洗います。脂っぽい頭皮ほど強くこすりたくなりますが、強い摩擦は頭皮のバリアを乱すことがあります。泡で包み込むように洗い、短時間で丁寧に済ませるのがポイントです。

ヌルつきが消えるまですすぎを徹底する

馬油シャンプーで最も重要なのは、すすぎです。しっとり感を残したくても、頭皮に洗浄成分や余分な油分が残るのは避けましょう。シャワーヘッドを頭皮に近づけ、指で地肌をなぞりながら、耳の後ろ、襟足、生え際、つむじ周りを重点的に流します。

「髪がしっとりしている」ことと「頭皮にヌルつきが残っている」ことは別です。頭皮はすっきり、髪はなめらか、という状態を目指します。すすいでも頭皮がいつまでも重く感じる場合は、使用量が多いか、そもそも製品が髪質・頭皮タイプに対して重すぎる可能性があります。

失敗しない馬油シャンプーの選び方

馬油シャンプーといっても、製品ごとに洗浄成分、保湿成分、薬用成分、香料、仕上がりは異なります。抜け毛が気になる男性ほど、「馬油入り」という一点だけで選ばず、成分表示と自分の頭皮状態を見て選ぶことが大切です。

洗浄成分は頭皮タイプに合わせる

乾燥しやすい頭皮なら、アミノ酸系など穏やかな洗浄成分を中心にした製品が合いやすいでしょう。一方で、皮脂が多い人や整髪料を多く使う人は、洗浄力が穏やかすぎると汚れが残ることがあります。敏感肌や湿疹が出やすい人は、香料や清涼成分が強すぎないものを選び、異常が出たら中止します。敏感な頭皮では、刺激を最小限にする処方が役立つ場合があります。出典:National Eczema Association「Over-the-Counter Shampoo」

成分表示では、水の次にどの洗浄成分が来ているかを確認します。ただし、医薬部外品は化粧品と表示ルールが異なる場合があるため、配合順だけで単純に判断しにくいこともあります。迷う場合は、少量サイズやトライアルで試すのが安全です。

薬用シャンプーは効能の範囲を正しく見る

アズマ商事の旅美人シリーズのように、馬油シャンプーの中には有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを配合した薬用タイプもあります。公式の全成分表では、馬油シャンプーの有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウム、その他成分として馬油やホホバ油などが示されています。出典:旅美人「商品 全成分表」

ただし、薬用シャンプーであっても、発毛剤やAGA治療薬ではありません。薬用シャンプー・薬用リンスの効能範囲は、ふけ・かゆみを防ぐ、汗臭を防ぐ、毛髪・頭皮をすこやかに保つなどが中心です。抜け毛そのものを治療する目的なら、AGAや脂漏性皮膚炎などの有無を確認する必要があります。出典:厚生労働省「薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項」

開封後は酸化・劣化を避けて早めに使い切る

油性成分を含むヘアケア製品は、保管状態にも注意が必要です。直射日光が当たる場所、高温多湿の浴室内、長期間開封したままの状態では、香りや質感が変わることがあります。馬油シャンプーを使っていて、古い油のようなニオイがする、色や粘度が明らかに変わった、頭皮が急にかゆくなったという場合は、使用を控えましょう。

詰め替えを使う場合は、古い液を継ぎ足さず、ボトルを洗ってよく乾かしてから詰め替えるのが基本です。家族で使うなら大容量でも良いですが、一人で使う場合は、数か月で使い切れるサイズを選ぶほうが管理しやすくなります。

馬油シャンプーで抜け毛が気になるときの判断基準

抜け毛が気になると、すぐにシャンプーのせいにしたくなります。しかし、男性の薄毛にはAGA、脂漏性皮膚炎、円形脱毛症、生活習慣、ストレス、季節性の抜け毛など、さまざまな原因があります。馬油シャンプーをやめるべきか、使い方を変えればよいのかを見極めるために、次のポイントを確認しましょう。

一時中止したほうがよいサイン

次のような変化がある場合は、馬油シャンプーの使用をいったん中止し、頭皮を落ち着かせることを優先してください。

  • 使うたびに頭皮がかゆい、赤い、ヒリヒリする
  • 湿ったフケやベタつきが明らかに増えた
  • 頭皮にニキビのようなブツブツが出た
  • すすいでも頭皮が重く、翌朝ニオイが強い
  • 円形に抜ける、急に地肌が見えるなど通常と違う抜け方をしている

特に、赤み・湿ったフケ・かゆみが続く場合は、脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患が隠れていることがあります。脂漏性皮膚炎は頭皮にも起こり、マラセチアなどとの関連も説明されています。出典:DermNet「Seborrhoeic dermatitis」

AGAが疑われる場合はシャンプーだけで対応しない

生え際が後退している、頭頂部だけ薄くなってきた、細く短い毛が増えてきた、家族に薄毛が多いといった場合は、馬油シャンプーの相性だけでなくAGAも考える必要があります。日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、男性型脱毛症に対してフィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル外用などが推奨されています。出典:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

シャンプーは頭皮を清潔に保つサポートにはなりますが、AGAの進行を止める治療そのものではありません。数か月単位で薄毛が進んでいる場合は、シャンプーを変えるだけで様子を見るよりも、皮膚科やAGA診療に対応する医療機関で原因を確認したほうが安心です。

自分に合う使い方へ調整する

馬油シャンプーが完全に合わないわけではなく、使い方の調整で改善することもあります。

  • 使用量を半分にする
  • 整髪料を使った日は2度洗いにする
  • 脂性肌の時期だけ別のシャンプーに替える
  • コンディショナーは頭皮につけず毛先中心にする
  • すすぎ時間を長くする

米国皮膚科学会は、コンディショナーは髪を保湿し扱いやすくする一方で、細い髪やストレートヘアでは毛先中心に使うことを勧めています。髪がペタンとしやすい男性は、頭皮や根元に油分を乗せすぎないことが大切です。出典:American Academy of Dermatology「Tips for healthy hair」

まとめ:馬油シャンプーは頭皮状態に合わせて選ぼう

馬油シャンプーを使って抜け毛が増えたと感じる場合、その原因は馬油そのものが毛根を攻撃しているというより、油分の残りすぎ、すすぎ不足、皮脂の多い頭皮とのミスマッチ、髪のボリュームダウン、あるいはAGAなど別の脱毛症である可能性があります。馬油は保湿成分として使われる一方で、すべての頭皮タイプに合う万能成分ではありません。

乾燥しやすい頭皮にはしっとり感がメリットになりやすい一方、脂性肌・汗をかきやすい人・整髪料を多く使う人には重く感じられることがあります。まずは予洗い、頭皮中心の洗浄、徹底したすすぎ、使用量の調整を試し、それでもかゆみ・赤み・フケ・抜け毛が続く場合は使用を中止して皮膚科へ相談しましょう。抜け毛対策で大切なのは、話題の成分に頼ることではなく、今の頭皮状態に合うケアを選ぶことです。

出典・参考資料

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